太るだけじゃない!見た目の変化に悩む産後ママに寄り添う方法

こんにちは、かかです。
双子の妹(まま)の育児サポートをする中で、気ままなおひとり様生活では気付けなかった“新しい世界”を日々発見中です。
私はままをサポートするうちに、出産が女性にもたらす さまざまな変化に気付くようになりました。
そこで前回は、出産によってママが“脳力”を一時的に失ってしまう「マミーブレイン」について紹介しました。

今回は、育児当事者ではない私の視点から出産が女性にもたらす見た目の変化にスポットを当てた記事を書きたいと思います。
「産後は太る」という話は、よく聞きますよね。
でも、見た目の変化はそれだけじゃないんです。
- 「髪の毛ボサボサじゃん」
- 「いつも同じ服じゃない?」
- 「最近、化粧してないの?」
こうした何気ないひと言や態度……心当たり、ありませんか?
実はこれ、全部ままがぱぱ(旦那)から言われた言葉です。
出産前まで、時間も・お金も・気持ちもかけて大切にしてきた「美しさ」や「おしゃれ」。
それが、たった一度の出産で一気に遠ざかってしまう…
そんな“積み重ねてきた自分”を失う経験、どれほど想像できるでしょうか?
今回のテーマはずばり!
たとえば、あなたが——
何十時間もかけてプレイし、課金もして育てたゲームのデータが、うっかり操作ミスで全部消えてしまったら…?
- 自分が悪いんだから仕方ないって、すぐに割り切れますか?
- また同じ熱量で、もう一度最初から始められますか?
きっと多くの人が、「やるせない」「立ち直れない」と感じるのではないでしょうか。
ママたちが感じている喪失感は、それに少し似ているかもしれません。
「体型のことを軽々しく言うのはNG」
と気をつけている人は多いかもしれません。
でも、産後の見た目への変化は”太った”だけではないのです。
彼女たちだって気にしている見た目の変化に対して、直撃した言葉をかけて傷つけないためにも、まずはどんな変化があるのかだけでも知ってほしいです。
私が心がけている寄り添い方も交えながら、ご紹介しますね。
太るだけじゃない!産後ママの見た目の変化とは?

いいな〜
ある日、着替えている私を見ながら、ままがぽつりとつぶやきました。

え?なにが??

胸の位置だよ。
産後、なんか下がった気がしてたんだけど、かかを見たらやっぱりそうだよねって思っちゃってさ
そう言って、さらに続けます。

それにそれ、かかの好きな〇〇(ブランド名)の服だよね?
おしゃれも楽しんでて羨ましいな~
出産する前はボディラインの出る服が好きでよく着ていたけど、ラインが変わって着る自信ないし、私なんて最近は楽に着れるTシャツばっかりだよ〜
…私は一瞬、返す言葉を探しました。

…お、おん。
大天使を産んだ代償は、でかかったね…
それが、やっと出てきた精一杯の言葉でした。
別の日には、携帯画面を見て ままがため息をついていました。

この前、かかが撮ってくれた動画見たら、自分の後ろ姿にがっかりしたんだけど…

え?どういうこと?

日頃 かかを見てるから、なんとなく自分も同じだと思っちゃってたけど、ポニーテールの毛先のパサつきが気になるし、ちゃんと纏めたつもりだったけど、うなじの後れ毛も気になる。
出産前までは かかとほぼ同じだったし、月に1回美容院に通って、シャンプーだってサロン専売品を使ってケアしてたのに…
その表情は、少し寂しげでした。
そして話は、さらに踏み込んだ内容に…

かかは私が妊娠してからも脱毛に課金し続けて、うなじの形が綺麗になったなって思う。
私も、うなじの脱毛したけど、妊娠を期に不完全で終了しちゃったし、他の部位に関しては最近ホルモンバランスのせいか濃くなってる気すらする…
今までに何十万円ってかけたのにさあ…
今さらまた新しく契約する余裕もないし、なんだかなあって思って
よく考えると、ままの見た目は、おいちゃん(甥っ子)を生む前とだいぶ変わりました。
- 洋服はラフなスタイルが中心。スカートよりパンツが主流に
- 髪型は巻き髪のダウンスタイルではなく、ポニーテールかお団子が定番に
- 大切にしていたアクセサリーも、今は身につけるのは結婚指輪だけ
- 化粧は遠出や出社するとき限定
- 脱毛が完了していたはずの部位を、最近自己処理している姿を見かける
ままは、子どもができたことで”美しさにかける時間”も”おしゃれを楽しむ余裕”も手放したんだと私は気がつきました。
安易な指摘をしてない?それよく考えてほしい
ままの家に遊びにいった ある日。
みんなで近所を散歩しようと出かける準備をしていた時に、ぱぱがままに対して言いました。

髪、ボサボサじゃん。
最近、化粧もしなくなったし、いつも同じ服着てない?
しかも、ちょっとシワシワ…
ままが、だらしなくなったかのように指摘しました。
その言葉を聞いたときのままの表情を、私は今でも忘れられません。
一瞬、眉が動いて、口元が少しだけ固くなる…
そして、悲しそうな声で「ごめん…」とだけ返して、ボサボサと指摘された髪を隠すように帽子を被り、シワシワと指摘された服を隠すように上着を羽織ました。
ままが、自分の見た目の変化を悲しく思っていたことを知っていた私は、その ぱぱの“何気ない一言”の破壊力が、痛いほど分かりました。
そして私も、ぱぱの言葉には なんだか悲しい気持ちになりました。
- ままが”髪の毛をアイロンで整えていた日”を知っているから
- ままが”毎朝コーデを考えて楽しんでいた姿”を見てきたから
- ままと”新作の化粧品を試しながら、化粧での変化を楽しんだ日々”があったから

事実だったとしても、指摘する必要があるのかな?
その一言、誰のため? 何のため?
ままは怠けているわけじゃなくて、そこに割いてた時間をおいちゃんに充てているんだけど…
やれなくなったことを指摘するだけなんだ…
私がままを大切にしすぎて、気持ちに偏りがあるのもあって、当時はこう思いました。
思うだけじゃなくて、その場で ぱぱに言えば良かったのかもしれません。
でも、義理の兄弟である ぱぱは、仲が良くても私にとってはどうしたって気を使う相手で、面と向かっては言えませんでした。
だから、私が寄り添い、ままが笑顔で良い方向に変化していく姿をぱぱに見せることが、臆病な私にできることだと思いました。
次は、そんな私が実際どんな寄り添い方をしたかをご紹介します。
私ができることってなんだろう? “美の喪失”に寄り添うためにしたこと
自分の見た目への変化を気にしている ままに対して私は主に3つの寄り添い方をしました。
- ”新しい形”をさりげなく提案する
- 美容やおしゃれを楽しめる時間をつくる
- 「差を見せつける存在」ではなく「一緒に気を抜く存在」になる
順にご紹介します。
①”新しい形”をさりげなく提案する
子育てがある今、ままが出産前のような美への投資をするのは厳しいのが現実です。
だから、出産前とは違う方法に切り替える必要がありました。
しかし、以前から慎重派の ままは変化に弱く、従来のやり方から変えることが苦手で、そのやり方で できないと判断した時点で諦めがちでした。
だから、ままに”変わるきっかけを渡す”のが、これまでと同様に、私の役目だと思ったんです。
そこで、ままが息抜きに私の家に泊まりに来た時をチャンスと捉え、こんな言葉を添えて提案をしました。
- 「眉毛脱色するだけで、めっちゃ化粧楽になったんだけど、やる?」
- 「浴室に置いてる、ヘアマスク使っていいよ。私は結構ちゅるんになったから、美容院でトリートメントする頻度減ったよ!」
- 「最近見つけた贅沢パックがお値段以上だったんだけど、お風呂上がりに一緒にやろうよ」
- 「このシュシュ、プチプラなんだけど高見えだし、ボリュームがあって低い位置で付ければ、気にしてた うなじも隠せるよ~」
無理に勧めることはせず、やる・やらないは、ままの自由というニュアンスを大切にしました。
「その気になったら、今できるよ」という選択肢を、そっと置いて、「ちょっとやってみようかな?」と思える種をまいたんです。
「せっかく かかの家に来たし、1回試そうかな」と、ままは大体チャレンジしてくれます。
そして、私の家で試したことをきっかけに、ままは少しずつ新しいことを取り入れていきました。

かかの提案の中でも、特に眉脱色が最高だった!
化粧してなくても ちゃんと感が出るから、すっぴんで近所を外出しても以前より恥ずかしくなくなったんだよね♪
②美容やおしゃれを楽しめる時間をつくる
独身時代に一瞬戻る時間を作る
ままが私の家に来た時にしていたのは、上記のような新しい方法の提案だけではありません。
”自分を労る時間”と”おしゃれを楽しんでいた自分に戻れる時間”も提案します。
- 「せっかくだから、スチーマーやってみる?」
- 「いつも、おいちゃんに合わせて入浴時間が短いから今日くらい長めにお風呂でゆっくりしたら?」
- 「私の服自由に着てもいいよ~。これなんて好きそうだけど、どう?」
- 「少し時間あるし、髪の毛アレンジしてあげようか?」

「自分磨きができなくなった」→「自分磨きができる日もある」と前向きに捉えて、諦めるのではなく「またがんばろう」って思えるきっかけ作りができればいいなと思って声掛けしていたよ!
身支度に集中できる時間を作る
逆に、私がままの家に泊まった時は、ままが”ゆっくり身支度できる環境”を率先して作りました。
端的に言うと、おいちゃんを連れ出して外出しました。
もう少し、具体的に紹介すると以下の通りです。
おいちゃんは、朝食後1人遊びに没頭する時間があるので、その隙に自分の身支度をします。
私は自宅に帰れば いつでもおしゃれを楽しめるので、ここでは時短重視でパパッと終わらせるのがポイントです。
食後の1人遊びをしている おいちゃんに声をかけて以下のような手順で、おいちゃんの身支度を ままと協力して完了させます。
- パジャマを脱がせる
- オムツを変える
- 体の保湿をする
- 肌着と上下の服を着せる
- 日焼け止めや虫除けスプレーを塗る
- 靴下と靴を履かせる
- 日差しが強ければ帽子を被せる
ままの準備が終わるまで近所を散歩したり、公園で遊んで待ちます。
その際は、手口拭きシートと水分補給の飲み物は必ず携帯します。
これだけで、ままはゆっくり自分の身支度ができます。
おいちゃんが家にいると、どうしても
「ママ~、見て~~」
と声をかけられて、集中できなかったり、ハプニングが起こって、対応に追われますからね。
近所であれば、何かあってもすぐに帰れるので、私1人で連れ出すハードルも低いです(^^)

おいちゃんに目を光らせながらだと、”とりあえず完了させる身支度”になっちゃうから、連れ出してくれると省略していたメイクや髪のアレンジができて、おしゃれをまた楽しめて本当に嬉しい♪
ちなみに、ぱぱに指摘されてしまったシワシワの服も
- 「おいちゃんがアイロンに触ると危ない」
- 「シワを伸ばしきる前に、おいちゃんに呼ばれるかも」
と思い、そのまま着ることが多かったようですが、おいちゃんが先に外出してしまえば、その時間に気兼ねなくアイロンも使えて、シワを伸ばしてから着れるようになったと喜んでいました。
③「差を見せつける存在」ではなく「一緒に気を抜く存在」になる
最後は、ままへのアプローチではなく自分に対するアプローチをご紹介します。
自分が諦めたものを持っている人が身近にいると、やっぱり羨ましく思いますよね。
特に、ままは一卵性の双子の姉(≒ほぼ自分のクローン)の私という比較対象がいるので、冒頭でも紹介したように過去の自分を思い出す機会がどうしても多くなり、少し残酷だと思いました。
だから、ままと過ごす日は、あえて自分も“気を抜く”選択をしました。
- 自分が好きな服は、ままの家に遊びに行く日以外で楽しむ
- 自分もノーメイクで過ごす
私もおしゃれを封印する日を作ったんです。
そして「ままだけじゃないよ」「ままに遠慮してじゃなくて、私は好んでやっているよ」というメッセージを以下のような声掛けで伝えました。
- 「今日は私もノーメイクで出かけよう、近所だしね〜」
- 「〇〇(ブランド名)の服は、汚されたら困ると思うと おいちゃんと目いっぱい遊べないから家に置いてきた~」
- 「このTシャツ、洗濯機で乾燥までいけるから最高〜(“楽着”の魅力を共有)」

「私が思っている程、周りの人は私のことなんて気にしていない」
ということが実感できる体験になって、見栄っ張りで、人の目ばかり気にしてしまう私には、いい薬にもなったよ!
まとめ:見た目の変化を指摘するんじゃなくて応援を!
以上、積み上げてきた”美”への投資が一瞬で消えた!その喪失感を想像してみようのご紹介でした。
どこかで、身だしなみが完璧なママを期待していませんか?
出産前と比べて「やれていない」と指摘するのは簡単です。
自分の見た目の変化に、ママ本人も悲しんでいます。
ママの見た目の変化が気になると思った時は、まず「それを言及したら、どう思うか」を考えてあげてほしいです。
それが、寄り添いの第一歩になるはずです。
そして、もし指摘するなら、せめて
- 時短でできる方法を提案してあげてほしい
- そこに費やせる時間を作ってあげてほしい
- 一緒に同じような状況に身をおいた上で、配慮した言葉を選んでほしい
と、私は思ってしまいます。
私が実践した寄り添い方は同性だから・姉妹だから、できた部分もあります。
でも、大切なのは寄り添い方の手段より”ママのことを考えて行動に移す”ことだと思います。
ぜひ、皆さんも「それならできるかも」っとママが思える環境を作ってあげてください(^^)
そして、最後に…
パパさんたちがもしこの記事を見てくれていたら伝えたい!
男性が想像する以上に女性の美とおしゃれへの投資は、時間と労力とお金がかかります。
だから、出産前と同じレベルの姿を求めないであげてほしい。
「やれているママもいるでしょ?」
そう思う方もいるでしょう。
でも、そんな方には聞きたい…
「そのママの子育て環境は、あなたの奥さんと全く同じでしょうか?」
- ベビーシッターを雇っていませんか?
- リタイヤした両親が近くに住んでいて、子育てを手伝ってくれていませんか?
- 勤務形態はどうでしょう?
- 世帯年収が高くて、お金で解決できる部分はお金で解決できる余裕のある家庭ではないですか?
ママは自分の命を危険に晒して、子どもを生んだだけでも大仕事を終えているので、どうか大目に見てはくれないでしょうか?